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  • 執筆者の写真Kasumi Kaneko

KENTA UEOKA


Profile

role: painter

favorite number and the reason:Maybe 7? The image is lucky,isn't it?

favorite words:Enjoy

fears:Loss of freedom physically and mentally.

Personality he thinks himself:to be honest for my desire

プロフィール

職業: 画家

好きな数字とその理由:7かな?ラッキーなイメージだから?

好きな言葉:Enjoy

恐怖するもの:精神もしくは肉体の自由が奪われるコト

自分で思う自分の性格:快楽優先主義

ウェブサイト : http://www.kenta69.com

LEONA : Kenta, it is a pleasure to have the opportunity to talk with you. First I want to ask you what first started you drawing? KENTA : I don’t know. For as long as I can remember I drew. Normally children always play with certain things, I was a child that always had a pencil or crayon in my hand and it was very natural to draw something that was a part of my surroundings or part of my life at the time. LEONA : What did you draw at that time? KENTA : Manga. As you know children copy comic characters for fun. I was doing that. People admired me and my artwork and I felt good. According to my family, I said, “I will be a painter!” because of the attention I received. At that time I always read manga, more than I studied or did my schoolwork. I enjoyed it very much. Not only manga that was appropriate for my age but also comics for adults too. Like Osamu Tezuka. You know, children don’t know much about about life when they are young. Things like love, sex and the sorrow of death, but I thought they were magnificent stories. I think I was a cheeky child because I read of such things in those comics but in fact I didn’t know anything. I behaved like I knew a lot about the world but had no experience with things in real life. I really loved manga very much. My home was a manga library. Many kind of fellows came to my home to read them. When I became a high school student I was interested about comics with bad high school student stories. LEONA : Now you gave a name Osamu Tezuka. I like his manga as well. I think Osamu Tezuka is one of the greatest manga-writer of all time, his comics are like a textbook or bible. Why were you keen on his manga at such a young age? What did you think about them? KENTA : I think I was fascinated with them because his point of view is high like god or buddha, he drew the world gigantic, Mujo (Buddhism word : means nothing. Things are never the same). Kind of… I can’t find exactly the answer. It is because virtue or vice, about love, desire, foolishness, karma, social absurdity. And kind of…. If you just change the point of view, the world is completely different…. I think I studied something like that.

Leona :今日はインタビューをひきうけてくれてどうもありがとう。 最初、このお話があったとき自分はインタビューなんかできるのかって思ったんだけど、よく考えたらわたし、ケンタくんとかアーティストの人に会ったら質問ばっかで、それって、インタビューなんじゃないかと思ったの。それにこういうことって新しい挑戦だし、やってみたいと思ったんだ。 Kenta :うん。全然、いいじゃんいいじゃん。

Leona:じゃあ、まず、絵を描き始めたきっかけを教えて下さい。

Kenta :きっかけか・・・。まあ、物心ついたときから描いてたから、きっかけらしいきっかけは・・・・、覚えてないね。 三歳とかくらいから人間の記憶がある程度あるとしたら、その頃にはもう描いてたし。自分の意識とか、言葉とかわかる前から、クレヨンとかえんぴつとか渡されて紙に描いたりとかはしてたはずなんだよね。結構、小さいときからそうやって描いてて、描いたら褒められてた、みたいな感じで・・・。ともかく・・・、勉強しないでまんがばっかり描いてたね。ちゃんと完成させたやつっていうより当時流行ってたまんがをうつしてた。おばけのQ太郎とかドラえもんとかさ・・・・。

Leona :まんが、好きだったの?

Kenta :むちゃくちゃ、まんが好きだったよね。まんが、うちに図書館みたいにあるね、って感じで。 小、中、高で、集めたまんがが壁一面くらいあった。だから、高校の帰りとかに色んなやつが俺んち寄って、まんが読んでたよね。なんか、たまり場みたいになってた。

Leona :あげるとしたら、どんなまんがが好き?

Kenta :いや、いっぱいありすぎてあれだけどさ。レオナちゃんだって、音楽何とか好きって聞かれても答えられないでしょ。

Leona :ううん。わたし、あげられるよ。ケンタくん、広すぎるんだよ。

Kenta :ほんと? あげられんの? でも、やっぱりね、手塚治虫はでかいんじゃないの?

Leona :あ、そうなの? わたしと一緒だね。

Kenta : 手塚治虫を小学校一、二年の頃に知って、わかんないなりに「火の鳥」とか、読んでたんだよね。 だって、小学校一年生がさ、恋愛とかセックスとかわかんないのにさ、「火の鳥」とか読んでも、家族や友達を失って悲しむ経験もないしさ、色んなそういうのをわかんないなりに壮大だなあって思って読んでたっていうかさ。

Leona :一、二年で読んでたの?

Kenta : 全部読んだ。「ブラックジャック」とかも。結構ませたガキだったかも。経験もないのに頭でっかちみたいな。

Leona :わたしは手塚作品をバイブルだと思っているけど、手塚作品の感想を聞かせてもらっていい?

Kenta : 神とかさ、仏のような高い視点から見ているような、壮大なスケールで描かれている世の中の無常観のようなものに魅せられたのかな・・・・。 恋愛だとか、欲望だとか、人間の愚かさや、カルマ、社会の不条理だとか、ほとんどのことが善悪で片付けられない現実つーか、立場や視点を変えれば、物事が全く違うように受け止められるとか、そういうことを学んだ気になってたんだと思う。

Leona : すごいな。手塚作品の読者への影響は想像を絶するものがあると思う。わたしも人格の形成時に触れたから、思考回路に多大なる影響を受けているしね。いまや、神とか言われてるけど、結構、暗黒なやつを描いてたりもする。前に、その時代では、まだ漫画でされてないことをまんがの世界で挑戦してきた、みたいなことを言われたのをどこかで読んだけど、手塚氏もまた最先端を創ってきたひとだったんだね。この最先端を求めていく人間たちが作り出していくもの、またそれを見て行く人たちの中に広がっていく世界にわたしはとても興味がある。 えっと、なんだっけ、まんがの話だよね。

Kenta : うん。それでさ、まんがをむちゃくちゃ読んだんだ。高校生になってからは、だんだん、少年ジャンプとか読んでたのが、青年誌に移ってくるじゃん。それでさ、高校生のときにタイムリーで「ビーバップハイスクール」とかやってたからさ。そーいうのとか、「湘南爆走族」とか。ヤンキーまんがとかがより自分に、世代も近いし、周りもヤンキーだらけの学校だったから、そういうのが面白かったんだよね。

Leona : ケンタくんはヤンキーではなかったの? Kenta : ヤンキーじゃないよ。でも、もし、学校さぼって喫茶店でタバコ吸ってたのが不良だって言うんなら不良かも?

Leona : 不良だねーーーーー。

Kenta : 不良なの? (笑)でも、サッカー部と美術部でちゃんと部活もやってたし。

LEONA : When did you start drawing professionally? KENTA : Well… I wanted to be fashion designer first. Fashion was very powerful when I was high school student. Of course I was affected by that movement because I liked stylish things when I was little. When I was 3 years old I cut my hair myself because I wanted to mimic the hair style of one of the heroes of a children’s program. When I knew what a pompadour style was I tried it at home with my fathers pomade. Of course none of the other children looked like that so I really stood out. Anyway, I liked stylish things but to be fashion designer, you needed to know how to sew as well. I thought it didn’t suit me and without it it was impossible to be a fashion designer. In the meantime, I had to find out what I could do in the future and I found graphic design work. Your looks quite characteristic, Do you have something policy of your fashion? I told you already I liked stylish things since when I was little. I like to make myself stylish. LEONA : You don’t mind standing out? KENTA : I love to be outstanding. Stylish things are outstanding. There isn’t anyone, especially those who work in show business or design, who doesn’t want to be outstanding. If they are not, they don’t go out in that way and do not get noticed but those that do are remembered. Characteristic style is useful for it but sometimes some people may not remember me. I feel down at that time. I think I do it because, without my original looks, I look quite normal. I like stylish and I think outstanding style is stylish….. it’s interesting to talk about this and I can talk endlessly about it ……. LEONA : Do you like yourself? KENTA : YES. I love myself. I can’t believe there is some people who don’t like themselves…. Of course there are sometimes things I want that I don’t have. Well….. I think this is just because of my parents. They brought me up to have confidence. Especially my father. He made me free. He respected what I wanted to do. He just told me when I chose to go to high school not go to there if I didn’t intend to study. He gave me always correct advice and never denied me. I think the effect my parents had on me is very important.

Leona : あ、そのころ、本格的に絵を描き始めたの?

Kenta : うーん。そうだなあ、高校に入ってから進路とかを決めなくちゃ行けない時期に、そういう話になって。大学とか勉強キライなのになんで行くんだって感じで。親父とかは高校も勉強嫌いなら行かなくてもいい、っ言ってて。それで、絵とか描くんだったら、そういう方面に才能がありそうだから、そっちじゃないの、みたいに、おふくろとか先生とかに言われて。 将来何になりたいかって言うのは、漠然とファッションデザイナーになりたいって思ってたんだよね。高校生の頃ってファッションとか芽生えるじゃん。その時代にDCブランドブームがきたんだよね。みんなバブリーだったからさ、ブランド物の服とか着たりして。 でもさ、ファッションデザイナーって基本的に服作れなきゃだめじゃん。家庭科とか苦手だったし、ちょきちょきやるのって性に合わないなって、思って・・・。高校二年の頃には挫折してたね。  で、やめて、そしたら、グラフィックデザイナーって職があるのがわかって、レコードジャケットとかさ、本の表紙とかのデザインをやってみたいなって思ってたら、そういうのがグラフィックデザインだってわかって。それで、美術方面にシフトしていったていうか・・・・。そんな感じかな・・・・。

Leona : ケンタくんのファッションって、結構特徴あるっていうか、独自性があると思うんだけど、ファッションについてどんな考えがある?

Kenta : そうだね・・・・、これも絵と一緒で、小さい頃からかっこつけてたんだよね。

Leona : 見た目を?

Kenta : そう、見た目。 一番最初にかっこつけたのが、三歳くらいの時で、今でも覚えてるんだけど、仮面ライダーとか見ててさ、本郷猛(ホンゴウタケシ)ってやつがいて、ポーズとって変身すると、ヒーローみたいになるんだけどさ、変身する前の本郷猛の髪型がさ、七三わけっぽい髪型で、70年代のボリュームのある七三分けっていうのかな、西城秀樹とか野口五郎とかあんな部類で、とにかく前髪が「ななめ」になってんの。その「ななめ」がカッコイイと思って、自分の髪の毛をななめに切ったのね、そのときに。そしたら、すごく変になって泣き出して。初めてかっこつけた記憶がそれで。お袋に「なにやってんの、ケンちゃん」みたいに呆れられて。 そっから始まって、小学校のときもさ、親父のさ、所謂おじさんが使うような匂いも強烈なヘアリキッドみたいなやつあるじゃん。そうゆうやつをつけて髪をオールバックにして学校行ったときがあった。小学校一二年生かな・・・・。そんなやつひとりもいないからさ、小学生で。匂いがとにかくすごかったから、みんなびっくりしてたっていうか。 Leona :みんなと違うからどうこうってないの? わたしなんか、家族に目立たないように、目立たないようにって言われるんだけど・・・。 Kenta  :(笑)いや、かっこつけたいって言うのはさ、まわりに居るみんなと一緒じゃかっこよくないって思うからっていうか、仮面ライダーの変身する前の人がかっこいいと思ったんは、そんな風貌な人まわりには居なかったし、そもそも彼は主役なんだから、目立ってるワケじゃん?目立ってるからかっこいいてのもあるしょ? オールバックにした理由はもう覚えてないけど、オールバックでかっこよく目立ってる人を見たからそういう風にしたんじゃないのかな。カッコイイことは目立つことじゃんって思ってたんじゃないの? そのときに。 ほんとに、昔からマイノリティだったよ。今でもそうだし。 Leona : ケンタくん自身は目立つことに抵抗感じないんだ。

Kenta : いやいやいやいや。絶対目立たなきゃだめじゃん。

Leona : (爆)

Kenta : よくさ、目立たないようにしてたやつの話も聞くけださ、それじゃあだめじゃん、みたいな。

Leona : え。じゃあさ、目立つの、好きなの?

Kenta : 目立つの、大好き。 もちろんさ、そういうんだったら、「事件でもおこせばいいじゃん」みたいに言われたけどさ、そういうのじゃなくて。 でも、「どんだけお前目立ちたいねん」みたいのはあったよ。昔から。 でもさ、そんな人だらけだよ、モノ作る人なんてさ。芸能人とか、ミュージシャンとかさ、目立つの好きじゃない人はあんまり・・・・、表舞台に出て行こうとしないんじゃないのかな。でも、ほら、仕事柄、顔と名前を覚えてもらわなきゃいけないじゃん。だから、今でも、何度会っても名前と顔覚えてくれない人とかいると、めちゃくちゃヘコむもんね。

Leona : (爆)おもしろいね。ヘコむポイント。

Kenta : そんなにしゃべらなくても、風貌で覚えてもらいたいってのがあるから、モヒカンとか、サングラスとか、髭とかしてるわけでさ、素の自分にあんまりインパクトがないからさ。

Leona : 小さいときから?

Kenta : いや、覚えてもらいたいっていうよりは、カッコつけたいっていうのがあって、かっこいいていうのは、目立つことで、目立ちたいって思ってたんじゃないのかな。 ・・・・・面白いね、これ。いくらでもしゃべり続けられるね。あぶないね。

Leona : 自分のこと、好き?

Kenta : 自分のこと? 自分のこと、大好き。  自分のこと好きになれないやつとか、たまに、いるけどさ。は? みたいな。 もちろん、もっと男前だったらよかったな、とか、もっとこういうことができたらな、とか、思うけどさ、すごい人とか見て、ま、憧れはするけど、でも、俺はなんか、俺なりにガンバロ、みたいな感じでさ、ま、ちっちゃいときから、両親が、絶対に自信を持たすような育て方をしてきたんだよね。親父が基本的に放任主義で、「自由にしろ」って感じで、お袋はねこかわいがりタイプかな。

Leona : へえ。きっと、そういうのも影響しているんだろうね。

Kenta : すごくでかいよ。

LEONA : What theme do you want to draw? KENTA : Woman. I love women. Eroticism. Grotesque. Something people don’t like and would not decorate the room with. I want to show them, stylishly and beautifully. a different way of seeing things. I like to express something hidden like sex. People talk about their appetite for foods but they do not talk about their appetite of sex so much. I want to do that. I want to grope a new style of beauty. I like pleasure. I want to have sex everyday, I want to go to the museum every day, meet fun people, listen to music, watch movies, dance, date girls, relax in a cafe, and dress-up… I want to do only the things I want. If I could I would express these pleasures in my own style. LEONA : What are some of the most important things you have drawn? KENTA : There are so many. Too many…. explore the border between porn and art. Well simply, I want to make shocking, moving and surprising art…. but not everyone likes or understands work like this. They want to show something they have never seen or felt. I am moved and influenced by many artists from all over the world. I want to do the same. I want to effect people and change their lives. I, myself, think my life was changed by artists. LEONA : What type of art do you like? KENTA : It’s the same. Impressive things and things never seen before. Flesh movement. I think art is suggestion of new values and it is important to break old values. I want to see what people feel include when they think something is not right in this world.

Leona : それで、絵の話に戻してみるけど、ケンタくんの描きたいものって何ですか?

Kenta : まあ、昔からやってきたこととして・・・、パンクとかからの影響かもしんないんだけど、なんかこう、猥褻だったりとか、グロテスクだったりだとか、人はあんまりいいと思って見ようとしたり、飾ったり、しなさそうなもの? でも、フェラだとか、その逆だとか、みんながやってることじゃん? そういうようなものを美しくっていうか、みんなが見られるように世の中に出していこうっていうのがあるね。 実際に見たら、こう耐えられないような、レオナちゃんのパーティ行って、蝋燭たらしたり、鞭打たれたり、したの見たけどさ、俺自身はそういうの、見てらんないからさ、「痛いっ」ってなっちゃって。実際にはだめなんだけど、そういうショックをあたえるようなものを、なんていうのかな、美しく、昇華できたらいいな、みたいなのがあるんだ。

Leona : どうしてそういうものをテーマに選んだの?

Kenta : まあ、あるのに隠されているのはおかしいじゃんってコトなんじゃない?  みんな「今日アレ食った」「美味かった」みたいな食欲の話はすんのに、「こんなセックスして最高だった」みたい話はあんまりしないじゃん。まあ、する人はするけど。どっちも自分の欲望の話でさ。だからさ、食欲の話と同じくらいセックスの話したっていいじゃんって思って、俺んちのパーティでは、そういう話するんだけど、フツーに。 あと、モデルとして協力してくれてるコらがさ、特に聞いてない場合でも、自分の恋愛の話をしだしたりするんよね。たぶんこう裸を晒したりとか、過激なポーズ、こう縛られたりとか、あられもない姿をするときに、なんか、自分の外身だけじゃなくてさ、中身つーか、価値観とか好き嫌いとか、どういうキャラかとかを知って欲しいと思うのかもしんないけど、だいたいの人はヌード・モデルするとそういう性的嗜好なんかも含む恋愛遍歴の話とかしてくれるので、それも興味深い。

Leona : 作品を製作するときに心がけているものは何ですか? Kenta : むちゃくちゃいっぱいあるよーーー。 個展の打ち合わせだけで、何を表現したいかを話すだけで、このインタヴューの予定時間な二時間以上余裕でかかっちゃうかもだし !表現したいことって、そのときそのときで色々あるわけじゃん。いっぱいあるよー。多すぎるよね。 Leona : メインはあげられないの? Kenta : メイン。んー、そうだね、ポルノとアートの境界を探るつーか、鑑賞者がどんな視覚情報で猥褻や美を認識するのか?みたいなコトが気になって、猥褻なモチーフを使いながらも色彩や構図、ライン等でスタイリッシュに変換するん、どの程度可能なのかな?とかさ。そのへんの視覚的興味が広がってって、どんくらいの要素で対象を認識するんだろか?みたいな、抽象と具象のバランスや、どんくらい最低限の要素で表現出来るものなのか?等々。 まあでも、すげー根源的には、驚かせたい、とか、感動させたい、だよね。 モノ作ってる人ってみんなそうじゃないのかな。見たことのないモノを見せたい、とかさ。色んなアーティストの作品を世界中で見てきて、色々感動して影響受けてきたから、こういう思いを自分も人に与えられて、その人の人生が変わるような。自分も人生を変えられてきたわけだからさ。

Leona : どんなアートが好きなの?

Kenta : だからみんな一緒だよ。感動するモノで、見たことのないモノ。新鮮な感動を与えるモノだね。 やっぱりアートっていうものは新しい価値観を提案するものだと思っているから。誰か先人がやったこと、同じことを表現するってのもありだけどさ、エロティシズムにしたって、大昔から誰かしらやってきたわけで、そういうのを継承するっていうか、それはそれでいいけど、何よりも大事なのは、今までにない価値観の表現だからさ。 今、自分が生きている世の中に対して、世の中で感じたり思ったりしたことを、「おかしい」と思ったりすることも含めて、表現して、人に今までの価値観が変わるようなことをしたいよね。 美しいとか、かっこいいとか、そういうものって書くの簡単だけど、そういうものも新しい描き方をしたいよね。美しかったり、かっこよく見えない可能性もあるけど。まだ、定着していないスタイルだから。 園子温って映画監督がさ、前によく「お前ブレーキ踏むの、早すぎ」って言ってたの。俺は「かっこよく」とか「スタイリッシュに」とかしすぎて、なんか足りないって言われた。もっとただのポルノになっちゃてもいいから、まとめんのは最後だ、みたいな。崖に向かってぎりぎりまでブレーキ踏まないで行っておっこっちゃってもいいじゃん、たまには。みたいな。でも、落っこちゃったら、死んじゃうんだけどさ。

Leona : じゃあさ、今はそのブレーキについてケンタくんはどう思ってるの? やっぱりブレーキ踏まない方がいいって思ってるの?

Kenta : だから、ギリギリまでブレーキ踏まない方がいいや、ってのは思う反面、やっぱり最終的にはブレーキ踏まないとカタチになんないからさ。 ・・・・そこは今でも悩むところだよね。だから、ブレーキはあとにしよう、みたいな。ブレーキってのは抽象的な表現だけど、つまり、まとめに入るのは後にするって言うかさ。作品を作るときは欲望のままつきすすむっていうかさ。矛盾しちゃうんだけどね。 そういうこと言ってた園子温は、まとまりのつかないまま作品だしちゃったりとかしてるし。ぶっこわして、またまとめていってその繰り返しっていうかさ。売れる売れない関係なく、自分の思ったことを表現しただけって言って、全部それでやってきてるからさ、手に入れたもの全部失う覚悟でやってるっていうかさ。そういう人にそう言われたら本当に説得力あるって言うかさ。

Leona : ケンタくんはそういう風にしたいと思うことあるの? 自分自身のアートに対して。

Kenta : いやーーー。基本的にはあるけど、そこまでは実践できないから。 理屈ではわかってるし、理想ではあるっていうのもわかってるだけで。 ほんとになんか全てを投げ打ってまで何かやるっていうのは、とてもできないから、だからそういうところが園さんから見れば、「おまえ、ブレーキ踏むの早い」になるんだろうねえ。

Leona : まあ、人間が違うよねえ。

Kenta : そうだね。(笑)人間違うよねえ。

Kenta : 最近さ、アラーキーが絶賛している大橋仁て写真家の人でさ、家が建てられるんじゃないかってくらいの金でさ、酒池肉林ていうくらいの色んな人の裸の写真を撮った『そこにすわろうとおもう』て写真集がでるらしいんだけど、もうその説明聞いているだけでそれは俺のやりたかったことだ、って感じでさ。 Leona : 酒池肉林、好きなの? Kenta : 酒池肉林って感じの表現だよ。 Leona : ケンタくんの思う「酒池肉林」ってどんな感じなの? Kenta : 酒池肉林の感じ? ズラーーーっと裸が並んでて、なんだろう、まあ、乱交みたいな雰囲気のところを引いて撮る、みたいな感じだね。なんかね、「パフューム」って映画だったかな。そんな感じのがあったんだ。500人くらいの乱交シーン!凄かったな、あれは。 Leona : ははは。どうしてそういうのが好きなの? Kenta : どうして? だって、圧倒的じゃん!まあ、快楽好きだからじゃない? ようするにさ、好きなことだけして生きていきたいわけだからさ。快楽をむさぼって生きていきたくてずっときてるから。映画観たり、音楽聴いたり、踊ったり、美術館行ったり、着飾ったり、女の子とデートしたり、カフェでまったりしたりとかさ、全部快楽だからさ。自分が気持ちいいことだけをやって生きていきたいわけよ。 Leona : すげーーーーーーー。 Kenta : なんで? (笑) 大体みんなそうじゃん? ただ色んなしがらみがあって出来ないだけで。だから、出来るコトなら毎日セックスしたいし、毎日美術館にも行きたいし、毎日踊りに行きたいし、だけど、身体は一つしかないんだから絶対時間足りないじゃん?でもさ、毎日したいことばっかなわけよ。でも、仕事して稼ぐこともしなきゃいけないし。でもやりたくないことはやりたくないからできるだけやりたいことに近いことを仕事にして今こうなってるわけだし。

Leona : 快楽を求める自分に対して危険って感じないの?

Kenta : むちゃくちゃあるよーーー。やっぱ、やってみたいからってなんでもやっていいわけじゃないじゃん。乱交したいからって乱交したらエイズをまき散らすような人と変わんなくなっちゃうわけだしさ。 そうだね、親父の影響かもしんないけど根底には人に迷惑をかけちゃいけないっていうか、嫌がることをしたくないっていうのがあるからさ。常にそことの双反する葛藤はあるよね。やっぱり。やりたいけど、うるさがる人がいたらしたくないし、言いたいけど傷つく人がいたらあんまりいいたくない、とかさ。そうだね・・・。危険があることもわかってて、気をつけて、みたいな。

Leona : 話聞いてるとさ、ケンタくんは自分の中にブレーキを持ってるみたいだけど、そのブレーキを持ってる強さってどこから来るの?

Kenta : 強さなのか弱さなのかわかんないけど・・・。

Leona : (笑)

Kenta : 少なくとも、園さんは破滅的っていうかさ、表現したいものに突き進む感じが明らかに俺よりレベルが高いっていうか、園さんだけじゃないよ、ヒカルくんてDJだったりさ、色んな、「この人はブレーキなかなか踏まないな」みたいな人いっぱいいるんだけどさ、

Leona : (笑)

Kenta : ヒカルくんの、クラブで延々と3時間「ボレロ」をかけ続けたコトあるハナシとか聞くと、「え!?」みたいな。もう二度と呼んでもらえないかもしんないし、誰も踊れなかったじゃんみたいな さ、失敗かもしんないようなこともやってみたかったらやるようなタイプの人には憧れるよね。実験的なミックスを詰め込みまくって、最後の方は皆ついて来れなくなって踊れなくなって立ってるだけ、とか。そんでまた徐々に踊らせて、踊らせては崩すの繰り返しだったりして、それが1時間くらいのペースで続けば、それもまた良いんだけど、ノってきちゃうとそのサイクルが早すぎて、カオス状態んなっちゃって、ホントに全然踊れなくなっちゃったりでさ。でも、そういうところからいろいろ凄いものが生まれてきた現場をいっぱい見てきたからねー。そういうタイプの人って、ずっとそれで食っていけなくてもいいと思ってるからさ。そこが決定的な違いつーか。やっぱり自分は絵を描いて食べていきたいっていうのが常にあるよね。だって、それ以外のシゴトしたくないんだもん。だからどうしても、最低限の収入を得れる程度にはお金んなる絵も描くワケで。その為の安定感とか信頼を失うようなコトはなかなか出来ないっつーかさ。なので、やりたいコトだけやって貯金が底をついた、とか、借金してるって人のハナシ聞くと、稼ぎまくってるけど、いろいろなコト我慢したり頑張ってる人より憧れちゃうよね。

Leona : 根が真面目だよね。

Kenta : そーだねー。だからそういうところに対する劣等感はすごくあるよね。

Leona : 劣等感感じるんだ。(笑)

Kenta : 感じるよ。それだけブレーキかけないアーティストをいっぱい見てるとさ。そういう人たちが突き抜けた作品作ってるわけだからさ。

LEONA : Who is your favorite artist? KENTA : So many. I have seen so many artworks and met so many artists. Well….. Sion Sono (film director) and Kenichiro Mizuno (artist. art director) and DJ Hikaru are some of the ones that have influenced me in recent times. Mr. Sono is a good friend of mine. He told me like this ” you put on the brakes too early. It’s ok to be only pornographic. Break yourself more.” When I see their work they don’t put on the brakes so much. Like DJ-Hikaru, he played ” Bolero” 3 long hours until people didn’t dance on the floor anymore and they just stood there. I like their style, they are my idols. I can’t be like them because I want to be able to make money from my works but they don’t care much about that. I feel an inferiority complex sometimes. I am from a serous family so it effect me and I have to hold back sometimes. And Makoto Aida. I was shocked when I saw his art because he was already doing exactly what I wanted to do. They are eccentric and risky. Sometimes they fail but I have seen many great artists appear in the world from being challenged so I love them for what they do. Also, I am greatly influenced by Modigliane, Egon Schiele, Yumeji Takehisa, Hans Bellmer, Andy Warhol, Robert Mapplethorpe, Helmut Newton, Alexander McQueen…. and lots and lots more.

Leona : 好きなアーティストを教えて下さい。 Kenta : これもいっぱいむちゃくちゃいるけどね。そのときによって変わったりもするし。ここ十数年くらいで好きで憧れてるアーティストは、さっきも言ったけど、園子温と、水野健一郎と、・・・ヒカルくんかな。 Leona : あ、そうなんだ。(笑)憧れなんだ。その理由は? Kenta : そうだね、やっぱり新しい価値観を提案するようなものを作ってるからじゃない? 一番好きなのは、会田誠かも?会田誠は俺がやりたいと思ってることや、やったことを、ほぼ全部俺の何倍ものスケールとクオリティでやってる。たぶん表現したいことが近いんだよね。そー、会田誠が一番自分がやりたいことを全部やっちゃてる人かも。世界中で。 その他にも、クリムトやエゴン・シーレ、夢二、Hans Bellmer、ダリ、マチス、Picaso,ウォーホール、Tom Wesselmann、Allen Jones 、Alexandro Jodorowsky、寺山修司、横尾忠則、 David Bowie、クラフトワーク、PATRICK NAGEL 、GUY BOURDIN、Robert Mapplethorpe、Helmut Newton、Thierry Mugler、Alexander McQueenとか大勢のアーティストたちから強い影響を受けてる。

Leona : 最近だと、ネットでほとんどのアーティストの作品を見ることができるから、ケンタくんの絵と見比べてみると、おもしろいかもしれないね。

LEONA : I would like to ask you something a bit private. Is it ok? KENTA : Go on. LEONA : Do you SM? KENTA : No. For me, SM is only a style of fashion because I don’t like to get or to give pain. I have seen SM live shows but I couldn’t watch them. Last year I had an exhibition of my work at an art galley attached to a SM club. At that time many SM people visited the galley so I met many and enjoyed spending time with them. I always like people who can do things that I can’t, except for committing crimes of course. I have known SM since I was a teenager but somehow I wasn’t interested in it because Japanese style SM seemed too bizarre. Years ago I visitited a new fetish boutique named Azzlo (A famous fetish shop in Tokyo in the 90′s, they were also famous for organizing fetish parties). It was one of most shocking things in my life. Was so cool and stylish. I think It was first time I saw SM western style. Since then it has fascinated me very much. I don’t use them but I have a lot of SM goods for my paintings. Whips, ropes, cuffs, high heels… I liked SkinTwo magazine as well. Anyway, fetish was in fashion at that moment and I was effected a lot. LEONA : Before I heard you like the word “decadence,” Please tell me what you think of it? It’s fleeting epicureanism? KENTA : I don’t think it is all right my aesthetic sense is not understood and I think I am a constructive person rather than decadant. That’s why I long for a decadant style and things. LEONA : What type of woman do you like? KENTA : I love all kinds if they are a woman I like. I used to like fashion-model type woman slim, no big boobs, long arms and long legs but these days I am aright with any style. If you are asking abouts my type of models for my painting, I have a type. I like charismatic people. People who are brilliant just standing there. What the interesting thing is, models talk about their boyfriends and sex when I draw them. I think their minds are more open when they are naked.

LEONA : What is your dream?

KENTA : I wish the world will be peace without wars and starving!

LEONA : YES. it's very true. Thank you very much.

January 2013

Leona : プライベートな質問してもいい?

Kenta : いいよ。

Leona : SMはしますか?

Kenta : しないね。全然陸サーファーみたいな感じだからさ。俺。緊縛の絵を描くときもhow to本みたいの見ながら縛ってるから、するするとか縛れないし。何故なら、普段からやってないから。 鞭とか色々持ってるけど、プレイとしては一切使わないっていうか。モデルに持ってもらったりするだけのため。まあ、それのデザインとか好きだからさ。 俺、あれから入ったから。アズローとか、ディシプリンジムとか。

Leona : やっぱ、魅かれたんだ。あのテイストに。

Kenta : そうだね、あの当時魅かれたんだろうね。初めての遭遇だったからさ。

Leona : うんうん。ショッキングだったよね。

Kenta : メイプル・ソープだとかニュートンだとかさ、SKIN TWOとか、アズローには全部置いてあったし。 全部そういうの、ファッションだからね。そういう見た目から、ファッションから入ったよね。

Leona : で、どうしてやらないの?

Kenta : いや。別に痛いの好きじゃないし。快楽が好きだから気持ちのいいことだけしていたいわけで。

Leona : あ、そっか。SMの世界は違うんだ。

Kenta : 痛いのは気持ちよくないし、相手が痛そうにしてるのもやだし。相手にも気持ち良さそうにしていて欲しいから。 もし、自分の好きな人がミミズ腫れになるほど打ってくんなきゃやだとか、蝋燭たらして欲しいっていう人だったら無理だな。 できないもん、俺。

Leona : (笑)わかりました。

Kenta : 自分は陸SMだから、実際にやっちゃってる人は憧れだよね。このあいだSMクラブに併設されているギャラリーで個展をやったんだけど、本物の女王様に「カッコイイ」って言ってもらえて嬉しかったりとかね。

Leona : では、好きな女性のタイプを教えて下さい。なんか、女王様とか、ポールダンサーが好きだって聞いたんだけど・・・。(笑)

Kenta : まあ、女王様とポールダンサーも好きだけど、女の子だったら大体好きかな。昔はね、冨永愛とか、ケイト・モスみたいなあまり胸が大きくないようなモデルタイプが好きだったけど、今だったら女の子ってだけでだいたい好きかもだな~。

Leona : 胸ないのがいいの?

Kenta : その方がスタイリッシュかな?って思っててさ。スタイリッシュなのが好きだからさ。 絵のモデルに好みがあるかって言われたら、好みがあるよ。個性のある人が好きだね。そこに立ってるだけで、光っているようなさ。

Leona : 単純に女性が好きなんだね。ジョン・ガリアーノが「I love woman」って言っていたのを思い出すよ。

Leona : あと、この間、デカダンスというキーワードに魅かれるみたいなこと言っていたけど、「デカダンス」ということについて思うことを教えてもらっていい?

Kenta : 刹那的な快楽主義かな? 自分の美意識が理解されなくても良いとも思わないので、自分自身は退廃的っつーより、建設的な人間だと思うけど、だからこそデカダンな物や態度に憧れるんだと思う。

Leona : 夢とか、願いって何ですか?

Kenta : 戦争や争いの無い世の中んなって欲しいな〜!そんで皆が飢えることない平和な世の中んなってほしいよ。

Leona : そうだね。私も同感です。

2013年1月某日


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